■OASIS heart 10号
透析十人十色 |
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こんにちは、やっと暑い!暑い!夏が去りましたね。と思ったら、次々と台風が日本列島めがけてやってきました。列島近辺を迷走したり、北海道・東北に上陸したりと、今までにない動きが多かった今年の台風です。台風の経験の少ない北海道、東北では大きな被害になりました。
透析患者の汗やっと涼しくなって、皆さん、体調はいかがですか? 前々号の「夏の透析」では、特に透析患者の発汗についてお話ししました(ほぼ、私の体験談ですが)。 透析患者にとって汗は、やはり水分管理のこともあり、一般の方よりは神経質とまでは言わないまでも、意識されている方が多いのではないでしょうか? 前々号(第8号)の私の拙文を読んでいただき、ご意見をいただいた方があると連絡受けました。 ただ、自身の透析経験から自由に綴らせていただいていることに反響があると、戸惑いながらも嬉しく感じます。読んでいただき、また、ご意見をいただき、ありがとうございます。 汗ひとつをとっても、人それぞれで、特に透析患者の場合は、いろいろな前提と治療条件等々から、一概に「こうだ!」と言い切ることはできません。 前々号の内容についても、一透析患者である私の透析生活を振り返ってみて書いたもので、医学的・医療的な専門知識やその判断がともなったものではないことをご理解願います。 長時間透析にこだわってただ、ひとつだけ触れなかったことを追記させていただくと、私の透析時間については触れなかったのですが、私は透析導入以来、透析時間については5時間以上を心掛けてきました。田端駅前クリニックで透析している時は、6時間でお願いしていました。現在は、仕事の関係もあって6時間は無理なのですが、オンラインHDFで5.5 時間の透析をしています。 発汗に関して言えば、もちろんいろいろな条件があげられることと思いますが、透析しているからといっても、少しでも健常な方の体内環境に近い状態を保つことが前提として考えられるのではないでしょうか? 透析患者にとって、「健常な方の体内環境に近い状態」にするということは、即ち透析量を上げること、十分な透析をすること、要は透析する時間をどれくらい確保するかということです。 連載のはじめに紹介させていただいたように、日本で1960 年代中頃から臨床化された人工透析治療は、年々研究開発、技術革新等々を重ね、飛躍的に発展・向上してきました。よく、「日本の透析医療は、世界最高!」と評されます。 それでも、まだ「時間」というファクターは欠かせない、つまり透析時間は、長ければ長いほど良い! ということです。これは、私が経験した34 年の透析人生からも実感できますし、本紙で青木院長が、透析医学会の統計調査結果から述べられている通りです “十人十色の透析”が可能に汗の話を延々と引っ張ってきましたが、日本国内32 万人強の透析患者を一律にみることはできない、ということは、すべての患者が一律に同じ治療であることも疑問です。 一人ひとり原疾患も異なり、もちろん年齢も家庭環境も、生活パターンも、そして当然夢や目標としていることも異なります。なのに、血液透析と言えば、一般的には1 回4 時間、週3 回と「決められている」(実は決められてはいません!)のは何故? と思います。 そんな中で、日本の透析状況も変化しつつあります。一人ひとりの患者に合った透析“十人十色の透析” が可能になりつつもあります。 次回は、“十人十色” の詳細についてみていきます。 (Visited 1 times, 1 visits today) |