喉の渇きの原因と透析患者さんが気を付けたいことまとめ
水分を制限しなければならない透析患者さんも喉は渇きます。
喉が渇く原因を知って喉の渇きを抑えることや、水分をたくさん摂り過ぎない工夫を知って、安定した透析治療を受けられるようにしていきましょう。
喉はどうして渇く?
喉が渇く原因には、血糖値や血中の尿素窒素の濃度などが関係していますが、1番の原因は、体内のNa(ナトリウム)濃度が高くなることです。
Na濃度が高くなる
塩辛いものをたくさん食べたあとに、やたらと喉が渇くという経験が皆さんあるかと思います。これは、塩分をたくさん摂取して体内のNa濃度が高くなると、身体が高くなったNa濃度を一定に下げようと水分を欲するからです。
Na濃度の調整は腎臓が行っています。透析患者さんは腎臓の機能が低下していることに加え、排尿によるNa濃度の調整が難しくなっています。そのため、上がってしまったNa濃度を下げるには水で薄めるほかなく、一層喉が乾きやすくなります。
透析患者さんが避けたい成分と喉の渇きの関係
透析患者さんが避けたい成分のひとつに塩分があります。塩分は喉の渇きを呼び、結果的に水分摂取量が増えてしまいます。
透析患者さんが避けたい塩分と水分の関係
透析患者さんが避けたい成分のひとつに塩分があります。塩分をとると体内のNa濃度が高くなり、喉が渇きます。
透析間で体重が増えすぎてしまうと、透析での除水量が多くなり、身体への負担が大きくなります。透析1回での除水量は体重の3~5%以内が理想で、体重によって理想の除水量は異なります。
例えば体重60kgの人の場合では1.8~3.0kgということになります。
塩分量を管理して体重コントロール
塩分を8.0g摂ると体重1kgが増加すると言われています。次の透析までの体重増加を抑えるためには、塩分を制限することがとても大切です。うどん屋さんできつねうどん一杯(塩分量は9.5g)を食べると、透析患者さんの1日の食塩摂取量の6gを大幅に超えてしまいます。
食塩を多く摂るとその分体重も増加するので、塩分量をしっかりと管理していくことが身体に負担の少ない透析をコントロールしていくことにもつながります。
透析患者さんが喉の渇きのために気を付けたいこと
喉が渇いて水分をたくさん摂取すると、体重が増加するほかにも心臓に負担がかかり全身状態にも影響します。
透析患者さんが喉の渇きのために気を付けたいことは、まずは塩分量を1日6gに抑えることと、もうひとつは水分の摂り方の工夫です。
喉が渇いたときの水分の摂り方の工夫
温かい飲み物を少しずつ飲む
喉が渇いたときには冷たい飲み物をごくごく飲みたくなりますが、そうすると一度に水分をたくさん摂ってしまうので、温かい飲み物を少しずつ飲むことがおすすめです。
氷を口に含む
水を飲むよりも氷を口に含むと喉の渇きも癒され、一度にたくさんの水を飲んでしまうことを防げます。製氷皿を使用すると、氷で摂取する水分量も管理しやすくなります。
水でうがいして口を湿らせる
水でうがいして口を湿らすことで喉の渇きを和らげることができます。たくさん飲んでしまいそうなときは、うがいをして口を潤しましょう。
まとめ
喉が渇くのは、多くの場合塩分の摂りすぎが原因です。水分を摂り過ぎないようにするためには、塩分量を管理することが重要です。
また、喉が渇いたときは冷たい水を一気に飲まずに、温かい飲み物を少しずつ飲む、氷を口に含む、うがいで口を湿らすなどの工夫で、水分の摂り過ぎを防ぎましょう。
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