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2020年07月01日

おやつも食べたい!透析患者さんの甘い物との付き合い方

食事制限が必要な患者さんも、おやつが食べたくなるときがあるかと思います。

上手に活用すれば、透析患者さんにとっておやつは大切なエネルギー補給の機会ともなります。栄養素や食べ過ぎに注意し、おやつの選ぶべきポイントを押さえて取り入れてみましょう。

 

透析患者さんはおやつを食べても大丈夫?

透析患者さんは透析治療によって失われる栄養素や、毎日の食事制限の影響などにより、エネルギーが不足しがちとなります。

おやつは、透析患者さんのエネルギー不足を補うための手段となります。おやつを食べすぎて食事がとれなかったり、カリウムやリンの摂り過ぎになってしまうことはよくありませんが、上手におやつを活用することで、3食で摂ることができなかったエネルギーをまかなうことができます。

また、食欲が低下していて3食の量を十分に摂れない場合は、おやつで食べる回数を増やしてエネルギーを補うこともできます。

 

透析患者さんのおやつの摂り方

各おやつの栄養成分の特徴

市販のおやつは手軽で便利でおいしいものもたくさんありますが、中には透析患者さんでは注意したいリンやカリウム、塩分が多く含まれているものもあります。

おやつの種類別の栄養成分の特徴をみていきましょう。

洋菓子

卵や牛乳を使用している洋菓子(シュークリーム、ショートケーキなど)はリンやカリウムが高い傾向にあります。ホットケーキは、ベーキングパウダーにリンが多く含まれています。

和菓子

芋、豆、黒砂糖、栗を使用している和菓子はカリウムが多く含まれます。芋かりんとうや黒かりんとう、甘納豆などはカリウムが高めです。あんこのお菓子の場合は粒あんよりもカリウムの少ないこしあんを選びましょう。

 

スナック菓子

芋を使用しているスナック菓子はカリウムが高くなります。ポテトチップスはカリウムだけでなく塩分も高め(100g当たり食塩1.0g)です。ついつい食べ過ぎてもしまうので注意が必要です。

 

チョコレート

チョコレートはカリウムもリンも高めです。ナッツが加わるとさらに高くなります。チョココロネやチョコクッキーなどチョコレートが入っているパンやお菓子にも気をつけましょう。

 

菓子パン

クリームやチーズなどの乳製品が多いパンはリンが高めとなります。

 

米菓子

しょうゆせんべい(100g当たり食塩2.0g)や塩せんべいは塩分が高くなります。

 

氷菓子

乳製品を多く含むアイスクリームやソフトクリームはリンが高めです。

100g当たり エネルギー(kcal) リン(mg) カリウム(mg) たんぱく質(g)
シュークリーム 228 150 120 6.0
ショートケーキ(苺なし) 327 110 79 7.1
ホットケーキ 261 160 260 7.7
甘納豆(小豆) 296 79 100 5.6
芋かりんとう 476 54 550 1.4
ポテトチップス 554 100 1200 4.7
ミルクチョコレート 558 240 440 6.9
アーモンドチョコレート 583 320 550 11.4
クリームパン 227 130 110 6.6
アイスクリーム 150 120 190 3.9
 

参考文献:文部科学省 日本食品標準成分表 菓子類

透析患者さんの各おやつの一日の目安量

透析患者さんがおやつを食べるときには、リン、カリウム、塩分のほかにも血糖や中性脂肪への影響も考える必要があります。エネルギーを補いながら栄養素が偏り過ぎないようなおやつを選び、食べ過ぎないことが大切です。

 

透析患者さんにおすすめのおやつ

ういろう、ぎゅうひ、水ようかん、パイ菓子、ゼリーキャンデーなどは、エネルギーも取れて、比較的リンやカリウム、塩分が少なめのおやつです。

100g当たり エネルギー(kcal) リン(mg) カリウム(mg) たんぱく質(g)
ういろう 183 18 17 1.1
ぎゅうひ 257 10 1 1.3
水ようかん 171 23 17 1.4
リーフパイ 566 42 77 5.8
ゼリーキャンデー 336 1 1 0
卵ボーロ 391 56 43 2.5

おやつはエネルギー量として100~200kcalを1日の目安にしましょう。血糖コントロールが必要な方は、100kcalまでに抑えるようにしましょう。

腎臓病患者さん向けにリンやカリウム、塩分が制限された治療用特殊食品のおやつを利用すると、初めから栄養素が調整されているので、市販のおやつよりも手軽におやつを楽しむことができます。

 

透析患者さんにおすすめのおやつ

まとめ

透析患者さんはおやつで食事の足りないエネルギーを補うことも必要です。

ただ、何でも好きなおやつを欲しいだけ食べるのではなく、1日の食事のバランスを考えてリンやカリウム、塩分などの摂り過ぎとならないように注意も必要です。

腎臓病患者さん向けの治療用特殊食品なども利用して、エネルギー補充としておやつを上手に活用しましょう。


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