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2018年11月29日

知ってる?メリット満載のHDFについて詳しくご紹介!

現在日本は少子高齢化を迎えています。高齢化に伴い透析患者さんも右肩上がりに増えています。一昔前までは、透析治療は延命治療と考える人が多かったです。

しかし近年、透析治療の進歩・多様化によって元気な透析患者さんが増えています。現在、透析治療の中でも多くの患者さんが注目している「HDF透析」について詳しくご紹介いたします。

     

透析(HD)と血液ろ過(HF)の違いを知ろう

血液透析技術の進歩により、かつては10年程度といわれていた透析患者さんの延命期間が現在では30年以上にのびました。継続する必要はありますが、透析は病気と共存するという段階に入っています。一方、長期透析の弊害として合併症が問題になります。

合併症対策に対応した治療法が登場しています。透析には現在最も一般的に行われている「血液透析(HD)」のほかに、フィルターで老廃物を起こす「血液ろ過(HF)」と、血液透析・血液ろ過の2つの透析療法のメリットを併せ持つ「血液透析ろ過(HDF)」という方法があります。

     

除去できる老廃物の大きさがHDとHFで異なる

それぞれを詳しく説明します。血液透析(HD)は血液と透析液の濃度の差を利用するため「自然に」老廃物を取り除くことができます。しかし、分子量の大きな老廃物は取り残されてしまいます。

また血液ろ過(HF)はフィルターを通して、血液に圧力をかけてこす方法のため、分子量の小さな老廃物の除去は血液透析(HD)と比べると少々劣っています。そのため 血液透析(HD)では分子量の大きな老廃物などを除去するのは難しく、逆に血液ろ過(HF)は分子量の小さな老廃物を取り除くのが困難でした。

血液透析(HD)と血液ろ過(HF)の図1

透析治療の研究者たちは、分子量の「大きいもの」「小さいもの」それぞれを取り除くことができればと考えました。

そして、それらを取り除くために血液透析(HD)におけるダイアライザーの高性能化や透析膜の穴を大きくするなど改良を行いましたが、今度は透析液そのものが血液中に混ざるようになり、発熱などの体調悪化につながるなどの報告も増えました。

そこで、そのデメリットを克服する治療として「HDF」が誕生したのです。

     

デメリットを克服したHDF

HDF透析を受ける人

HDFは、血液透析(HD)と血液ろ過(HF)を療法行います。補充液を加えながら血液透析を行い、ろ過する血液量を増やすことで血液透析(HD)では除去することが困難だった小さな老廃物もろ過することが出来るようになりました。

特に、HDFの中でもオンラインHDFでは透析液をそのまま補充液として使用することによりより多くの血液をろ過して老廃物を除去することが可能です。HDFは腎臓のはたらきに近いことから、体内の自然な状態に近くなることで以前の透析治療には無かったメリットが得られます。HDFのメリットには以下のようなものがあります。

  • 血圧の安定
  • 食欲・貧血の改善
  • 透析中の状態の悪化が減り、元気になる
  • かゆみや顔色が改善しやすい
  • etc...

     

まとめ

HDFの優れたところは通常の透析で取りきれない老廃物を除去できることです。現在の医療では長期間透析を続けながら毎日元気で過ごす患者さんが増えています。近年、透析治療はHDFをはじめ、治療の選択肢が増えています

特に、HDFの中でもオンラインHDFは行っている病院は少ないですが、より多くの老廃物をろ過してくれます。医師からさまざまな治療法のメリット・デメリットなどを聞き、自分にあった透析治療をぜひ選んでください。

参考文献:「透析新時代 最先端療法の実力」監修:大平整爾 (幻冬舎)

     

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