透析患者が温泉旅行前に調べておきたい5つのこと
透析患者が温泉旅行に行く際にはどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。そもそも温泉に入れるのかどうか?また、旅行先の透析施設、食事、温泉について調べておきたい5つのことを確認しましょう。入浴と旅行の注意点をまとめた記事も紹介しているので参考にしてみてください。
透析患者は温泉に入れる?入れない?
透析患者であっても温泉に入れます。ただし、入浴によって身体へかかる負担や感染対策などの注意点をしっかりとおさえて入浴する必要があります。血液透析患者の場合は、体調が安定している状態であれば、基本的には透析日以外の日は温泉に入れます。
温泉旅行の前に調べておきたい5つのこと
温泉旅行に行く場合、透析施設、食事、温泉について事前に調べておきましょう。
透析施設の場所と透析時間
旅行先でも透析スケジュールを守って透析を受ける必要があるため、透析室の予約を取っておく必要があります。宿泊先からの移動のしやすさと、無理のないスケジュールで受けられる透析施設を探しましょう。
透析環境の情報収集
透析施設によって透析環境は異なります。透析を受けるときの服装や持ち込んでよいもの、持っていく必要があるもの、Wi-Fi環境なども確認しておきましょう。事前に情報収集をしておけば、知らない土地の知らない透析施設で透析治療を受ける際にも落ち着いて受けることができるでしょう。
宿泊先の食事対応
食事制限が必要な透析患者が気を付けたいのが食事です。全国には、数は多くはないですが腎臓病に対応した食事を用意してくれる宿もあります。
腎臓病食の用意がなくても塩分やカロリーの制限が必要であること、カリウムの多く含まれる生野菜や果物、生魚、豆類やイモ類などは避けてほしいこと、肉や魚、卵などのたんぱく質の量は少なめにしてほしいことなどを具体的に伝えれば対応してくれる宿もあります。どのような食事の対応を受けられるかを確認しておきましょう。
入浴予定の温泉の成分や温度
主治医から温泉に入浴する許可が出ていても、身体への負担が大きい温度の高い温泉は避ける方がよいでしょう。また、温泉成分にナトリウムやカリウム、マグネシウムが含まれている場合は、飲泉は禁忌です。あらかじめ温泉の温度や成分の情報収集をしておきましょう。
腎臓病食の用意がなくても塩分やカロリーの制限が必要であること、カリウムの多く含まれる生野菜や果物、生魚、豆類やイモ類などは避けてほしいこと、肉や魚、卵などのたんぱく質の量は少なめにしてほしいことなどを具体的に伝えれば対応してくれる宿もあります。どのような食事の対応を受けられるかを確認しておきましょう。
部屋にシャワーがあるかを確認
当日の体調が万全でなければ温泉は控えて、部屋のシャワーで済ますなどの柔軟な対応が必要です。宿泊先の部屋にシャワーが備えてあるかを確認しておきましょう。
透析患者の入浴、旅行の注意点
透析患者の入浴での注意点は次のとおりです。
- 血圧低下やシャント部からの細菌感染の危険性があるため、透析日は入浴しない
- 体調のすぐれない日の入浴は避ける
- 長風呂はしない
- 熱いお湯へは入らない
- 入浴前後の温度差に気をつけて、寒い季節は暖をとりながら衣服の着脱が行えるように工夫する
こちらの記事で、より詳しく透析患者さんの入浴時の注意点を説明していますので参考にしてください。
【知っておきたい】透析患者さんの入浴方法とポイント
透析患者の旅行時の注意点は次のとおりです。
- 旅行が可能かをまずは主治医に相談する
- 無理のない旅行先とスケジュールの決定
- 旅行先の透析施設の確保と持ち物や透析環境の情報収集はしっかりと
- 主治医への必要書類の作成依頼は早めに
- 旅行前には体調を万全に
- 旅行先での食事制限に留意
透析患者の旅行時の注意点や準備しておくべきことについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
旅行も可能?透析患者さんが旅行に準備したいこと4つのポイント
まとめ
透析患者が温泉旅行に行く際には、旅行先でも変わらないスケジュールで透析治療を受け、食事制限を行うこと必要です。旅行先で透析治療を受けられる施設、宿泊先の食事の対応、入浴予定の温泉の情報を事前に調べておき、安全にストレスなく過ごせるようにしておきましょう。
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