透析治療はつらい?その原因と対処法について
人工透析はつらいのでしょうか?透析治療がつらいと感じる原因として通院回数や治療時間、食事制限、シャントへの穿刺、旅行・出張時の不便さなど様々な側面が関連しています。それぞれの側面からみた透析のつらさと対処法を確認していきましょう。
人工透析はつらい?
人工透析治療が必要な生活になると、今までの生活と比べて時間や食事の制限など、生活に制限が生じます。一般的な血液透析では週3回の透析治療を受けるので、出張や旅行時には宿泊先で治療ができるクリニックの確保が必要です。また、透析治療では毎回針を刺す痛みも伴います。
人によってつらさの感じ方やつらさの度合いは異なりますが、今までと同じ生活を送ることができない不便や生活が制限されることへのつらさ、シャントによる身体的な痛みを感じることもあるでしょう。
透析治療がつらい原因
透析治療がつらいと感じる原因について項目ごとに説明します。
通院回数
一般的な血液透析では週3回通院します。週7日間のうち約半分の日数は通院が必要となるため、生活時間の制限が生じます。これまでの生活スタイルを変更しなければならない場合もあるでしょう。
仕事や家庭と透析治療とを両立するためにスケジュール調整を行うのは簡単なことではありません。ただ、夜間透析やオーバーナイト透析、腹膜透析、在宅透析などの透析方法を活用して仕事や家庭との両立を図っている方もたくさんいらっしゃいます。自分の生活スタイルに合った透析方法を医師と相談して見つけていきましょう。
治療時間
週3回の透析の場合、治療時間は一般的には4時間です。片手を動かせない状態で4時間ベッドの上で過ごすのは、慣れるまでは苦痛に感じるかもしれません。
寝る、読書をする、テレビやDVDをみる、ゲームをする、ネットサーフィンをする、足の運動をする、スタッフやほかの患者さんとおしゃべりするなど、透析患者さんは透析時間の過ごし方をいろいろと工夫して過ごされています。
スマートフォンなどの電子機器が使用禁止の施設もあるので事前に使用可能か確認しておきましょう。コロナ禍ではなかなか他の患者さんとの会話を楽しむということも難しいかもしれません。透析時間をリラックスして過ごせる自分なりの方法を探してみましょう。
食事制限
透析患者さんは毎日の食事も大切な治療の一環のため、塩分や水分、カリウム、リン、たんぱく質、カロリーなどの成分を気にかけて食べる必要があります。
好きな食べ物が全く食べられないわけではありませんので、食べる量に気を付けて一日のうちの他の食事で調整するなどの工夫をして好きな食べ物も楽しみましょう。
元気に過ごすためには必要な栄養を食事からしっかりととることは大切です。主治医や管理栄養士の指導のもとに、調理法や食べ方などを工夫して毎日の食事を楽しみましょう。
シャント
透析患者さんは血液透析を受ける際に腕にシャントと呼ばれる動脈と静脈をつないだ血管をつくります。透析治療を受ける際には毎回シャントに2本の針を刺すので、針を刺す痛みが伴います。
針を刺す痛みに対してはテープや塗るタイプの麻酔薬を用いて痛みを和らげる方法などがあります。痛みに対して対策が可能な場合がありますので針を刺す痛みでつらいときには施設のスタッフに相談してください。
不自由(旅行、出張)
透析日が3日以上空くと水分や尿毒素が体にたまって体の不調を引き起こします。旅行や出張の際には、出先でも継続して透析治療を受けることができるように透析施設を探し、主治医へ紹介状や診療情報を依頼する手配が必要です。
期日に余裕を持って施設探しや書類の依頼をしなければならないため、準備に不便さを感じることもあるでしょう。
透析治療を受ける手配が整えば、国内だけでなく海外旅行を楽しむことも可能です。海外旅行の場合は、旅行代理店が海外で透析治療を受けるサポートも行っています。
つらさを和らげる対処法
透析治療を受けるにあたり様々な面でつらいと感じることもあるでしょう。原因によっては透析方法の選択や工夫、痛みに対する麻酔薬の使用などによってつらさを軽減できることもあります。
人それぞれ、つらいと感じるポイントや対処方法は異なりますので、つらさを我慢せずに、まずは透析施設のスタッフや主治医に相談しましょう。
まとめ
透析治療におけるつらさは人によって感じ方や感じるポイントが異なります。透析治療は元気に生活を送るためには継続しなければならない大切な治療です。継続して透析治療を受けるためにもつらさを感じたときには施設の医療スタッフに相談しましょう。
※コラムに関する個別のご質問には応じておりません。また、当院以外の施設の紹介もできかねます。恐れ入りますが、ご了承ください。
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