透析患者だってゴルフしたい!メリットと注意点を解説します
透析患者さんの中にはゴルフを趣味や運動の一環として続けている方もいらっしゃいます。今回は透析患者さんがゴルフを行うメリットやゴルフをするときに気を付けたい点について確認していきましょう。
ゴルフ場でのランチや透析日に注意したい点についても説明していますので、ゴルフをしたいと考えている透析患者さんはぜひ参考にしてください。
透析患者さんもゴルフはできます
実際に透析治療を開始してからもゴルフを続けている方はいらっしゃいます。透析患者さんは運動が制限されるイメージがありますが、筋力や体力をつけるために適度な運動は続けた方がよいと言われています。
ゴルフは全身を動かす運動であり、ゴルフが好きな方であれば、楽しみながら運動を続けることができるでしょう。
しかし、透析患者さん全員がどのようなスポーツでも行ってよいわけではありません。体の状態や合併症などによって透析患者さん一人ひとりに適した運動は異なります。まずは主治医にゴルフをしてもよいか確認し、ゴルフをしてもよいとなった場合は、注意点を守って安全にゴルフを楽しみましょう。
透析患者さんがゴルフを楽しむメリット
ゴルフの身体活動量は、「少し速く歩く、ハイキング、庭仕事、子どもや孫と遊ぶ、荷物を持って歩く、ボランティア活動、ラジオ体操、水泳、水中ウォーキング、太極拳」などの活動や運動と同等に値します。普通に歩くよりもやや活発な運動であるゴルフを継続することで、次のようなメリットが得られます。
- ・体力の低下や筋肉量の低下を防ぐことができる
- ・病気に対する抵抗力が上がる
- ・血圧・血糖・内臓脂肪・コレステロール値を良い状態に保ちやすくなる
- ・体を動かすことで気持ちが明るくなる
透析患者さんがゴルフをする際の注意点
透析患者さんがゴルフを行う際には注意が必要なこともあります。透析の種類によって注意点が異なるため、血液透析と腹膜透析のそれぞれの注意点を確認しましょう。
シャントに気をつける(血液透析)
血液透析をしている方はシャントに注意が必要です。シャントを圧迫しないようにシャントの腕に荷物をかけたり、シャントの腕で重い荷物を持ったりしないようにします。ゴルフウェア選びの際にはきつい衣服でシャント部分を締め付けないようにしましょう。
シャント部分をけがや打撲で傷つけないように、カバーや衣服で保護しておくのも良いでしょう。
カテーテルに気をつける(腹膜透析)
腹膜透析をしている方はカテーテルに注意が必要です。お腹の中に埋め込まれたカテーテルの出口部分が傷つくと感染の原因となるため、カテーテルが動かないようにしっかりと固定をしておくことが大切です。お腹に物が当たらないよう移動やプレーの際には気を付けましょう。
ゴルフ場でのランチ
ゴルフ場でランチを食べるときにはレストランでの食事内容にも注意が必要です。外食のメニューは味付けが濃いものが多いので、塩分控えめのリクエストが可能であればお願いしましょう。
メニューは丼や汁もの、麺類は控え、主食・主菜・副菜のバランスの整った定食などを選ぶようにします。ソースやしょうゆ、ドレッシングなどの調味料は別皿に添えてもらうようにお願いし、つける量を調整できるようにしましょう。
飲み薬は忘れずに持って行って飲み忘れのないようにします。ランチを外食したら、その日の朝・夕の食事で摂りすぎた栄養素の調整を行いましょう。
透析日とプレー日について
透析を受けた後は血管内の脱水により、血圧が低下しやすい状態にあります。自宅から遠く離れたゴルフ場でのプレーは体調の変化が起こったときに対応がとりにくくなります。ゴルフをする際は体調が安定しやすい日を選び、出かける前に体調確認をしましょう。少しでも「体調がいつもと違う」と感じる場合は無理をせずに中止することが大事です。
まとめ
透析治療を開始してからもゴルフを続けている方はいらっしゃいます。ただし、誰もがゴルフを行えるわけではなく、個人の体の状態によっては運動を控えた方がよい場合もあるため、ゴルフが可能か主治医に確認しましょう。
ゴルフを楽しむ際には、体調が良いときに行うようにし、シャントやカテーテルへ負担がかからないように気を付けることも大切です。
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