透析患者だってサウナを楽しみたい！でも、NG行動を知っておこう

透析患者は血液透析によって体内の水分や電解質が調節されているので、サウナを楽しむ際には身体への負担の少ない入り方が必要です。身体への負担を減らすために、透析患者が避けるべきNG行動について知り、安全にサウナを楽しみましょう。サウナと並んで人気の高い岩盤浴についても触れています。

近年、健康へのよい影響やストレス解消の方法として、テレビ番組で特集が組まれたり、ドラマに取り上げられたりなど、サウナブームともいえるほどサウナが注目を浴びています。

サウナに入ることで、身体が発汗して代謝が上がり、「体調が良くなる」「リラックスできる」「ストレスが解消される」などのメリットを感じる人が多いようです。サウナに入った後に得られる心地よい感覚は、日本人独特の表現で「ととのう」と呼ばれており、この「ととのう」感覚を求めて、多くの人々からサウナは支持されています。

今やサウナは、昔ながらの温泉施設だけではなく、フィットネスジムやスパにも設置され、自宅にサウナ設備を導入する人も増えています。いわば、サウナはブームから健康法やリラクゼーションのひとつとして、日常生活に定着したといえるでしょう。

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サウナは汗をかくので、「身体の中の水分を減らせるのでは？」「減量できるのでは？」と、積極的にサウナを利用しようとする方がいるようですが、透析患者の場合、発汗目的・減量目的でのサウナ利用は危険です。サウナでは水分やミネラルは身体の外へと排出されますが、透析治療のように身体の中の毒素が排出されることはありません。

また、サウナで急激に汗をかくと、血圧低下、血管内が脱水を起こして血液が濃くなり、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクも高くなります。透析患者で汗をかきにくい人は、熱がこもり、熱中症のような状態になることもあります。サウナの後の水風呂も心臓への負担が大きく、透析患者にとっては大変危険な行為です。

あくまで、リラクゼーションやストレス軽減の目的でリフレッシュに利用するのがよいでしょう。

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サウナや入浴が腎機能に与える影響については、まだはっきりとした科学的根拠が示されていません。2016年の熊本保健科学大学による研究で、慢性腎臓病のマウスを4週間にわたって週5日41℃のサウナに15分入れたところ、サウナに入れなかったマウスに対して、腎機能悪化の進行を遅らせることができたという報告があります。ただし、マウスでの有効性であり、今後、慢性腎臓病患者とサウナとの関連についての報告が待たれるところです。

40～50℃の低温の岩盤に横たわってじっくりと体を温める方法として岩盤浴も人気がありますが、サウナと同じく透析患者とに与える影響についての詳しい報告はありません。サウナと同じく、長時間入るのは避けて、リラクゼーション目的で利用しましょう。

・低温サウナによる慢性腎疾患の進行抑制効果
・入浴習慣は腎臓病に有効か
・一般社団法人　内臓トレーニング協会　岩盤浴は、腎臓への負担など影響はありますか？

サウナに入るときには水分補給をして脱水を予防しながら、心臓への負担を少なくするように、高すぎない温度のサウナを短時間利用する方法がおすすめです。透析患者がサウナを利用するときには、次の行動は禁忌です。

• 水分補給を行わずにサウナに入る
• 高温のサウナに無理に入る
• 長時間サウナに入る
• 体調が悪い日、透析日にサウナに入る
• サウナから出て水風呂につかる

・腎臓が大ダメージを受ける「サウナの絶対NG行動」

サウナを日常生活に取り入れて楽しむ人が増えており、透析患者の中にもサウナを楽しみたいという人もいるでしょう。しかし、減量や発汗目的でのサウナ利用は体に負担がかかって危険です。長時間にわたって高温のサウナに入ることは避け、水分補給をしながらリラクゼーションとしてのサウナを楽しみましょう。安全にサウナを楽しむために、事前に主治医に相談しておくことも大切です。