透析専門医を徹底解剖!気になる役割・資格・年収は?
透析専門医は透析医とどのような点が異なる医師なのでしょうか。透析専門医の役割、透析専門医になるためには何が必要か、透析専門医の年収などの情報を説明していきます
透析専門医の役割
透析専門医は、高度の知識・技術・技能を持ち、透析患者の合併症や偶発症に対応できる医師です。
透析患者に対する治療だけではなく、基本知識・診療技術・処置技術・手術・感染対策・医療安全・医療倫理・社会復帰の支援・災害対策に対する能力を身につけています。高水準の透析療法を安全に実施でき、総合的かつ長期間にわたって透析患者を診療し、社会復帰を支援します。
透析専門医は、透析患者にとって適切な治療とケアを提供し、透析導入前と満足度の変わらない生活の実現をめざす役割を持つとともに、地域の透析医と連携を密にとって透析医療自体の質を高める役割も担っています。
次の8つの優れた能力を透析専門医は備えているとされています。
- すべての腎代替療法の情報の提供
- 高水準の透析療法の実施
- すべての血液浄化療法の実施
- 透析患者の社会復帰支援
- 透析患者への適切な倫理的配慮
- 災害時に地域の透析医療の調整および遂行
- 透析患者への安全な医療提供
- 透析患者への適切な感染対策の実施
透析専門医になるには
2022.9.29現在では全国に6,303名の透析専門医が存在します1)。透析専門医になるには、日本の医師免許を持っていることはもちろん、次のような諸々の条件をクリアしなければなりません。
- 日本内科学会や日本外科学会などの定められた医学会の基礎となる専門医資格などを保有していること
- 初期研修医2年目以降から数えて臨床経験年数5年以上であること
- 日本透析医学会の教育関連施設で3年以上臨床研修を行い業績があること
- 日本透析医学会の学会への出席や業績で30単位を満たしていること
- 専門医認定の試験、審査において専門医にふさわしいと判断され、登録を完了していること
- 専門医申請時に日本透析学会歴3年以上であること
透析専門医の年収はいくらくらい?
勤務医の求人サイトの腎臓内科の勤務医の給与情報によると、平均年収は約1,000万円~2,000万円です2),3)。透析専門医の資格を保有していると高給優遇とあり、透析専門医は専門医資格を持たない医師よりも高水準の平均年収であることがわかります。
透析医に関わらず、一般的な勤務医と開業医の平均年収を比べたデータでは、勤務医が約1,315万円に対して開業医は約2,675万円であり4)、勤務医に比べて開業医の方が倍近く平均年収は高い水準です。
しかし、あくまでも平均値であり、勤務医、開業医ともに職場や経験年数などによって年収の幅は大きいのが実情です。
・2)e-doctor
・3)Dr.転職なび
・4)第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)
・PHC 人工透析内科で失敗しない開業ポイント・年収や開業資金も解説
まとめ
透析専門医は透析についての深い知識と技術を持ち、治療だけではなく、社会復帰支援や倫理的な配慮、災害時の透析医療の指揮などの役割も担う医師です。
透析専門医になるには臨床経験年数や日本内科学会や日本外科学会などの基礎となる専門医などの資格を持っていること、一般社団法人日本透析医学会の臨床研修プログラムを3年以上受けて試験や審査で認められることなど、数々の厳しい条件をクリアしなければなることはできません。
透析患者の予後や生活の質の維持、向上のために活躍が期待されています。
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