透析治療で利用するインジェクションパッドの使い方と外す順番、タイミング
透析治療で使うインジェクションパッドをご存じですか?聞きなれない言葉ですが、実物を見たら知っている人もいるかもしれません。透析治療を受けて帰宅した後は、患者本人が管理することになるので、適切な使い方と外す順番、タイミングについて理解しておきましょう。
インジェクションパッドとは
インジェクションパッドは止血用パッド付絆創膏です。止血テープなどと呼ばれることもあります。多くは円形の粘着テープで、血液を吸収する素材の止血用パッドが中央部分に付いています。パッドにより、穿刺部を適度に圧迫します。1個ずつ滅菌包装されているタイプは、衛生的に使用できます。
大きさは直径2cm~3cmほどで、透析治療においては治療後の穿刺部分の止血と穿刺部の保護を目的に使用されます。
・ニチバン インジェクションパッド
・インジェクションパッド 添付文書
インジェクションパッドの使い方
インジェクションパッドの具体的な使い方は以下の通りです。在宅血液透析を行っている方は、透析が終わってシャントから針を抜いた後に自分でインジェクションパッドを貼ることになります。
1. インジェクションパッドを開封します。
パッドや粘着テープ部分に触れないように、はく離紙部分を持って取り出します。
2. インジェクションパッドを貼る
穿刺部にパッド部分が当たるように貼ります。
3. はく離紙をはがして貼る
はく離紙をはがしながら粘着テープを皮膚に貼ります。
4. 圧迫する
5. 止血バンドを巻く
上から止血バンドをいて圧迫止血します。バンドを強く締めすぎないように、シャント、スリル音が聞こえる程度の強さで締めましょう。
インジェクションパッドを使う際の注意点は次の通りです。
- 一度貼ったら再度使用しません。貼る際に、誤った場所に貼り付けてしまった場合も新しいものを使うようにしましょう。
- 動脈留置針抜去後の止血には使用できません。
- 穿刺部の痛みや腫れ、赤みなどが出てきた場合は使用を中止して主治医に連絡してください。
- 皮膚に水泡や発疹、ただれ、皮がめくれる、赤み、かゆみなどが見られた場合も使用を中止して適切な治療を受けることが必要です。
- 個包装を開封したら、すぐに使用します。
- 貼る前には手洗いをして手を清潔にしておきましょう。
インジェクションパッドを外す順番とタイミング
透析が終わった後は、止血ベルトは1時間後に外して、出血や内出血、腫れなどがないかを確認します。明確な決まりはありませんが、インジェクションパッドを外すタイミングとしては、貼った翌日の朝には外すように透析施設から指導されるケースが多いようです。ずっと貼りっぱなしにしていると、インジェクションパッドが汚れて不衛生となります。
濡れたり、汚れたり、血液がしみだしてくるなどがあれば、新しいものに貼り換えます。はがす際には、皮膚を傷めないように、体毛の流れに沿ってゆっくりとはがしましょう。
・認定看護師会 2011年7月vol.5
・MediPress シャントの保護
・高橋クリニック 透析治療について~透析と日常生活~
まとめ
インジェクションパッドは透析治療後に、穿刺部分の止血と保護を行うために貼るパッド付の絆創膏です。感染予防のためにインジェクションパッドを取り扱う際には手を清潔にしておき、パッドや絆創膏部分に手で触れないようにすることが大切です。はがす際も皮膚を傷つけないように丁寧にはがしましょう。
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