電話番号 メニュー
2024年09月05日

【保存版】透析患者が食べてはいけないもの一覧表

透析治療を受けている方にとって、毎日の食事は治療の一つです。透析患者の食事において「食べてはいけないもの」には何があるのでしょうか。食事療法の基準と透析患者が「食べてはいけないもの一覧表」を掲載しています。食事のポイントも示しているので、毎日の食事にお役立てください。

食べてはいけないもの

透析患者と食事療法について

透析治療は体内に溜まった余分な水分や毒素を取り除く治療法ですが、食事から摂取した栄養素のすべてを透析治療のみで調整することはできません。そのため、食事療法にて摂取する栄養を管理する必要があります。

透析患者の食事療法ではタンパク質とエネルギーをしっかり摂り、塩分、リン、カリウムを控える食事が基本です。水分量もできるだけ控えます。

この基準値は日本人の食事摂取基準2020と比べて、食塩量、カリウム、水分の制限は厳しいものの大きく制限しなければならないわけではないということがわかります。(表1参照)

栄養素 透析患者の食事療法基準2014 日本人の食事摂取基準2020
エネルギー 30~35kcal/kgBW/日
60kgの場合:1,800~2,100kcal
男2,200~3,050kcal/日
女1,950~2,350kcal/日
(身体活動レベルによって異なる)
タンパク質 0.9~1.2g/kgBW/日
60kgの場合:54~72g/日
男65g/日、女50g/日
食塩 6g/日未満 男7.5g/日未満、女6.5g/日未満
カリウム 2,000mg/日以下 男2,500mg/日、女2,000 mg/日
リン たんぱく質(g)×15mg/日以下
60kgの場合:810~1,080mg/日以下
男1,000mg/日、女800mg/日
水分 できるだけ少なく

表1 透析患者の食事療法基準2014と日本人の食事摂取基準2020

・長井美穂 菅野義彦 透析患者の食事療法基準 2017 透析会誌50(2)p.133~138
・「日本人の食事摂取基準」策定検討会 日本人の食事摂取基準(2020年版)令和元年12月

透析患者が食べてはいけないもの一覧表

透析患者が「食べてはいけないもの」は正確に言うとありませんが、控えるべき食べものは存在します。適切な量を守りながらバランスよく食べることが大切です。

以下に、「食べてはいけないもの一覧表」として、特に注意が必要なカリウム、塩分、リンを多く含む食べものを表にまとめました。それぞれの栄養素が含まれる量と、食べてはいけない理由も示していますので、参考にしてください。

食べてはいけないもの カリウム量(100g) 食べるのを控えた方がよい理由
ドライフルーツ 干しあんず:1300mg
ドライバナナ:1300mg
果物の中でもドライフルーツは特にカリウム量が多く含まれます。少量でも多くのカリウムを摂取してしまうので控えましょう。
野菜ジュース 野菜ミックスジュース:310mg
にんじんジュース:280mg
野菜ジュースはカリウムが濃縮されています。1パック200mg(約コップ1杯)の量を飲んでしまうと多くのカリウムを摂取してしまいます。
ナッツ・豆類 落花生・小粒種(炒り):760mg
ココナッツパウダー:820mg
炒り大豆(黄大豆):2000mg
ひきわり納豆:700mg
きな粉:2000mg
ゆであずき:430mg
ナッツ、豆類にも多くのカリウムが含まれます。ナッツや豆を粉末にしているココナッツパウダーやきな粉、ゆであずきなどはお菓子にも使われていますので、摂り過ぎには注意が必要です。
いも類 フライドポテト:660mg
焼き芋:500mg
じゃがいも(蒸し):420mg
大和芋(生):590mg
干し芋:980mg
いも類にも多くカリウムが含まれます。フライドポテトや焼き芋、干し芋など、間食で食べ過ぎないように気を付けたい食べものです。擦りおろした大和芋などのとろろも食べ過ぎには注意が必要です。
野菜類 ほうれんそう(生):690mg
同(ゆで):490mg
同(油いため):530mg
ブロッコリー(電子ンジ):500mg
同(焼き):820mg
同(油いため):590mg
同(ゆで):210mg
野菜類は調理法によって、カリウムの量が大きく変わります。サラダで生で食べるとカリウムを摂り過ぎてしまいます。電子レンジ調理や焼く・炒めるもカリウムが残るので、「ゆで」を基本に調理しましょう。
食べてはいけないもの 塩分量(1食、100g) 食べるのを控えた方がよい理由
インスタント食品 カップラーメン:4.9g/食
カップ焼きそば:4.7g/食
インスタント食品、特にカップ麺は塩分量が高く、1食で1日の塩分量6gを超えてしまう製品もあるため避けたい食べものです。
漬物・梅干し ザーサイ:13.7g/100g
大根みそ漬け:7.2g/100g
梅干し:18.2g/100g
漬物や梅干しにも多くの塩分が含まれています。少量でも喉が渇き、水分量が多くなってしまいやすいので控えたい食べものです。
食べてはいけないもの リンの量(100gあたり) 食べるのを控えた方がよい理由
加工食品 ボンレスハム、ロースハム(焼き):340mg/100g ハムなどの加工食品にはリンが多く含まれます。塩分も多いので、タンパク質は肉・魚など、加工していない食品から摂りましょう。
魚卵 焼きたらこ:470mg/100g 魚卵もリンが多く含まれています。塩分も高く、喉が渇いて水分量が多くなるリスクがあるので控えましょう。

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

こんな食事を心がけましょう

透析患者の食事では、以下のポイントを心がけましょう。

  • ご飯(エネルギー)+主菜(タンパク質)+副菜(野菜)の組み合わせでバランスよく栄養素を摂る
  • 水分・塩分は控える
  • カリウム・リンは少なめを意識する
  • エネルギーをしっかりとってタンパク質を控えるために低たんぱくご飯などの市販品も活用する

透析患者の食事

まとめ

透析患者の食事療法では、特にカリウム、塩分、リンを含む食品に注意が必要です。「食べてはいけないもの一覧表」を参考に、適切な量を守りながらバランスの取れた食事を心がけましょう。エネルギーはしっかり摂り、タンパク質、塩分、水分を控えることが大切です。低たんぱくご飯などの市販品も上手に活用しましょう。

(Visited 1 times, 1 visits today)

※コラムに関する個別のご質問には応じておりません。また、当院以外の施設の紹介もできかねます。恐れ入りますが、ご了承ください。

こちらをクリック
お電話はこちら

臨時透析・転入のご希望、当院に関するお問い合わせなど、お気軽にご連絡ください

(受付時間:月~土 8:30~19:30)