透析患者さんも朝ごはんが重要!ポイントとおすすめの朝食
朝ごはんが大切だということは知っている方も多いと思いますが、朝ごはんの大切さや朝ごはんを抜くとどのような危険があるのかについて、もう一度おさらいしましょう。
朝ごはんメニューの立て方のポイントと、おすすめの朝ごはんについても紹介しています。毎日の朝ごはんに悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
透析患者さんも朝ごはんをしっかり食べよう
朝ごはんは身体にスイッチを入れるための、大切なエネルギー源です。また、食事療法が必要な透析患者さんにとっても、一日を元気に過ごすために朝ごはんは欠かせないものです。
透析患者さんのなかには「透析前の体重を少しでも減らしたい」「血液検査の値を少しでも良くしたい」「食欲がない」といった理由で、朝ごはんを抜く人や飲み物しか摂らない人もいます。
朝ごはんを食べないで透析治療の調節を図ることや血液検査の値を操作することは、その時1回の透析治療や検査の値は調節できても、長い目で健康のことを考えると良くありません。
透析患者さんも食べやすいものの中から栄養バランスを考えて、朝ごはんをしっかりと摂ることが大切です。
透析患者さんに朝ご飯が大切な理由
朝ごはんには、主に次のようなはたらきがあります。
脳を目覚めさせる
朝目覚めたときには、肝臓などに蓄えられているエネルギー源を夜の間に使い切っている状態のため、脳のエネルギーが不足した状態になります。
朝ごはんを食べると脳のエネルギー源であるブドウ糖が補給され、脳のはたらきが促されます。
体温を上げる
夜寝ている間に体温は下がっています。朝ごはんを食べると胃腸が動いて体温が上がり、身体にエンジンがかかります。
排便が促される
朝ごはんを食べることで腸が刺激されて、スムーズな排便が促されます。
身体のエネルギー補給
透析中にもエネルギーが使われます。体力を維持するためには、朝ごはん・昼ごはん・夜ごはんの3食を食べてエネルギーを補給することが必要です。
体内リズムと生活リズムを整える
朝起きて朝ごはんを食べるという決まった生活リズムをつくることで体内リズムも整い、身体の機能が正しく働きやすくなります。
朝ごはんを抜くリスク
朝ごはんを抜くと次のようなリスクの上がる可能性があります。
肥満になりやすい
朝ごはんを抜くと、昼、夜の2食のごはんの量が多くなりがちです。
朝起きてから何も食べないでいるところにたくさん食べると脂肪が身体に蓄えられやすく、結果、肥満につながりやすくなってしまいます。
体調が悪くなる
朝ごはんを抜くと身体の維持に必要な栄養素やエネルギーが不足し、身体のだる重さや貧血によるめまいやふらつきなど、透析中に体調が悪くなることがあります。
脳もエネルギー不足となってはたらきが低下するので、ボーっとして集中力が低下することや、頭が回らずにいらいらするなどの症状が出ます。
便秘になりやすい
朝ごはんを抜くと腸が刺激されないので排便をもよおしにくくなり、便秘を起こしやすくなります。
朝ごはんのポイントとおススメの朝食例
朝ごはんのメニューを決めるときのポイントと、おすすめのメニュー例を紹介します。
朝ごはんのポイント
朝ごはんは、エネルギー源となる主食と肉や魚・卵・大豆などのタンパク質、ビタミンやミネラルを含む野菜を組み合わせたメニューを基本とします。
「朝は食欲がない」「朝から重いものは食べられない」「朝ごはんをつくるのが手間」という方もいるでしょう。夜ごはんのおかずを朝ごはんに活用したり、手軽に用意できて食べやすいものを準備しましょう。
おすすめメニュー1:おにぎり
朝はご飯派という方におすすめなのが、手軽に作れて食欲のないときにも食べやすいおにぎりです。
塩むすびにしてしまうと塩分が高くなるので、きんぴらやツナマヨネーズ、卵焼き、薄切りのお肉を焼いたおかずをおにぎりの具として、焼きのりで巻いて食べるのがおすすめです。
天かすとねぎを混ぜ込んだごはんでつくるたぬきおにぎりも、エネルギー補給におすすめです。
そのほか焼きおにぎりにしてアレンジするのも良いですね。ただし、おかずの味付けに使う調味料の塩分には気をつけましょう。
おすすめメニュー2:ごはん、パンと目玉焼きと野菜サラダ
ごはんやトーストの主食と一緒に、目玉焼きと野菜サラダも手軽に用意できる朝食としておすすめです。
目玉焼きは油で焼くことでエネルギーも補給できます。目玉焼きはこしょうなどの香辛料でアクセントをつけ、しょうゆやソースをかけすぎないように注意しましょう。
まとめ
朝ごはんをしっかり食べて脳や身体を動かすエネルギーを補給することで、一日元気に活動することができます。
朝ごはんはなかなか喉を通りにくいという方も、おにぎりやパンなど、食べやすいものを選んで食べるようにしましょう。
透析患者さんは水分や塩分、カリウムやリンなどの制限もあるため、栄養が偏らないように「主食+タンパク質+ビタミン・ミネラル」の組み合わせをポイントにメニューを組み立てるようにしてください。
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