【保存版】透析患者がやってはいけないこと一覧表
透析治療を受けている方にとって、日常生活や透析中に「やってはいけないこと」にはどのようなことがあるのでしょうか。たくさん制限があるように思える生活も「これだけは避ける」ことを一覧にしてみると意外と少ないかもしれません。「透析患者がやってはいけないこと一覧表」にまとめましたので、毎日の生活にお役立てください。
透析患者が日常生活で気をつけること
透析患者は日常生活において、食事・運動・睡眠など、腎臓に負担をかけない生活習慣に気をつけて過ごすことが大切です。透析治療に欠かせないシャントを守るための注意も含め、透析患者が日常生活で気をつけることをお伝えいたします。
食事・運動・睡眠
合併症を引き起こさないために毎日の食事は非常に大切です。決められているエネルギー量、タンパク質、塩分、カリウム、リン、水分の量を守り、3食しっかり食べましょう。
透析治療を十分に受けるためには、体力も必要です。疲れすぎない程度の運動を続け、体力をつけましょう。運動不足による筋力低下、血流不良の予防にもなります。
体を休め、疲労回復につなげるためには質の良い睡眠が欠かせません。日中は活発に動き、寝る前にはリラックスできる環境を整え、スムーズな入眠を促しましょう。
便秘
透析治療による水分除去やカリウムの制限で野菜が不足し、食物繊維の摂取量が少なくなることで、便秘になりがちです。毎日、決まった時間に排便する習慣をつけましょう。便秘が続く場合は主治医に相談してください。
体重管理
体重は増えすぎてしまうと透析治療での水分除去量が増え、体調が悪化しやすくなります。その逆に、低栄養による痩せにも気をつけなければなりません。毎日の体重測定で適正体重を維持し、食事量や水分量の調整、むくみの有無もあわせて確認しましょう。
シャント管理
シャントを長く使うために損傷や感染に気をつけましょう。異常が見られたらすぐに主治医に連絡・相談しましょう。
- 朝夕2回シャント音を確認する
- 穿刺部の皮膚に異常がないかチェックする
- 透析日に湯船につかるのは避ける
- シャントのある腕に荷物をかけない、腕時計をつけない
- シャントのある腕をぶつけない
- シャントのある腕で血圧測定や採血をしない
透析患者がやってはいけないこと一覧表(日常生活、透析中)
「透析患者がやってはいけないこと」とその理由を日常生活、透析中に分けてまとめました。毎日の生活の参考にし、体調コントロールにお役立てください。
日常生活でやってはいけないこと
やってはいけないこと | やってはいけない理由 |
---|---|
決められた透析を受けない | 透析を十分に受けないと心疾患、脳卒中などの重篤な合併症のリスクが高まる |
水分・塩分を摂り過ぎる | 水分・塩分の摂り過ぎで透析と透析の間の体重が増えすぎると十分な透析を受けられなくなる。 |
果物や野菜を食べすぎる | 高カリウム血症によって突然死や急性心不全を起こすリスクが高まる。 |
シャントを圧迫する | シャントが閉塞すると透析を受けられなくなる。 |
薬を決められたとおりに服用しない | 食事療法、透析治療、薬の服用のルールを守り、安定した体調を守ることが大切。 |
運動しない | 体力がないと十分な透析を受けられません。 |
透析中にやってはいけないこと
やってはいけないこと | やってはいけない理由 |
---|---|
締め付けの強い服を着る | 透析中はリラックスして受けることが大切です。ゆったりとした服装で本を読む、テレビを見る、スタッフと話すなどしてリラックスして過ごすようにする。 |
スタッフに確認せずに食事や飲み物をとる | 透析中の飲食は血圧低下や誤嚥のリスクが高まる方もいるのでスタッフに確認が必要。 |
シャントの腕を体の下に敷いて寝る | シャントが圧迫されると透析治療に影響が出るだけでなく、シャントの損傷にもつながるのでシャントの管理には注意する。 |
あくびや倦怠感、吐き気、頭痛、かゆみなどの不調が起こっても我慢する | 透析中には血圧低下や不均衡症候群、アレルギーなどがみられる場合があり、対処が必要なため、不調をきたした場合はすぐにスタッフに知らせる。 |
回路が外れてもスタッフに知らせない | 透析中に回路が外れると大量出血や空気塞栓症を起こし、命にかかわる場合もあるため、異変に気付いたらすぐにスタッフに伝える。 |
こんな毎日を心がけましょう
長い透析治療と付き合っていくためには、生活の質を保つことが大切です。日常生活で気をつけるべきことや「やってはいけないこと」を理解した上で、自分なりのライフスタイルを確立し、日々楽しみながら生活しましょう。
小さな楽しみを見つける
趣味を楽しむ、お気に入りの場所へ出かけるなど、日々の中で小さな楽しみを見つけることで、ストレスが軽減されて前向きな気持ちを保ちやすくなります。
コミュニケーションの時間を持つ
家族や友人、医療スタッフとの会話を通じて、ストレスが緩和し、新しい情報も得られます。
無理をせずに自分のペースで過ごす
体調に合わせ、無理をせずに運動や食事療法を続けましょう。
新しいレシピに挑戦して食事を楽しむ
自分で新しいレシピの調理を行ったり、市販の物を試してみたり、楽しみながら食事療法を続けましょう。
ヨガやストレッチなどを取り入れる
軽いストレッチやヨガなどで、体も心もリラックスする時間を持つことで、運動効果も得られ、気分もリフレッシュできます。
まとめ
日常生活での食事・運動・睡眠に関する注意は、透析患者に限らず、健康的な生活を送るために重要です。「やってはいけないこと一覧」には、重篤な状態になるリスクがある項目が含まれているため、注意して避けるようにしましょう。日々の生活で無理をせず、楽しみながら体調管理を続けることが、透析治療を受けて体調を維持するための鍵となります。
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