■OASIS heart 11号
【透析医療の秘密】ダイアライザーの秘密 |
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発展を続ける日本の医療、人工透析においては、透析回数、透析時間、血流量、透析液流量などは、何年も変化のない状況にあります。しかし、そんな中、ダイアライザーは進化を続けています。今回はこのダイアライザーについて少し紹介させていただきます。
ダイアライザーの中身は?透析をする時は、針を刺して血管から血液を取り出し、ダイアライザーを通ってまた血管に血液を返します。これを繰り返すことで血液中のいらない物質を除去しています。腎臓の代わりともいえるダイアライザーは血液をきれいにし、血液中から水分を除去するのに使われているのです。 ダイアライザーの中には、小さな穴がたくさんあいている細いストローのような物(人工の膜でできた細い管)がおよそ1万本入っています。1万本です!あの筒の中に1万本!! 1本1本はシャープペンシルの芯より細く、約0.2mm。髪の毛よりすこし太いくらいです。 約1万本のこの膜をすべて広げると、風呂敷1枚くらいの大きさになります(約0.8~ 2.5㎡)。このストローの中を血液が通り、ストローの外を透析液が流れることによって透析できているのです。 あなたに合ったダイアライザーをダイアライザーは、それぞれの患者さんに合った材質、大きさのものを選択し、使用しています。生体適合性といって、材質が体に合う、合わないこともあります。材質によっては体調不良を起こしたり、血液データの変化、透析中に血液が固まりやすくなることもあるので慎重に検討し、材質を選択しています(現在のダイアライザーは生体適合性に優れているのでご安心ください)。 体重40kgの人と100kgの人では、やはりダイアライザーの大きさは同じではありません。体の大きさは人によって違い、体内の血液の量もそれぞれ違うので、血液中の老廃物がしっかりと除去できているかなどを確認して、患者さん一人ひとりに適した大きさ(膜面積)や透過能力のダイアライザーを選択しています。 (Visited 1 times, 1 visits today) |