透析患者が恋愛してもいいですか?
透析患者が恋愛してももちろん良いです。透析患者だからといって恋愛してはいけないことはありません。透析患者は、生活や健康上の問題に配慮しなければならないことがありますが、それでも恋愛は生活をより充実したものへと変える可能性があります。透析患者の恋愛について知っておくべきこと、大切なことをお伝えしていますので、悩んでいる方の参考になれば幸いです。
透析患者と恋愛について
若くして透析が必要になった方の中には、恋愛について悩みを持つ方も少なくないようです。腎臓移植を受けなければ、生涯にわたって治療が必要であるという状況や治療による生活の制限、仕事、妊娠・出産のリスクなど、慢性腎臓病や人工透析治療を理由に恋愛・結婚を諦めているという方もいらっしゃいます。
一方で、透析患者でも恋愛を楽しみ、結婚・出産を経験している方もいます。恋愛をする中で新しい刺激を受けたり、ストレスや孤独感が軽減されたりすることで、将来に向けての新しい目標が見つかり、毎日の生活や治療にポジティブな気持ちで向き合うことができ、生活の豊かさにつながる場合もあります。
本人の前向きな姿勢やパートナーの理解・協力は欠かせませんが、透析患者が恋愛することで、人生が豊かなものとなり、より充実した生活へとつながる可能性もあるのです。
透析治療と生活の制限
透析治療を受けるうえでは生活の制限があります。一般的な透析治療では、週3日通院し、4時間の透析治療を受けなければならず、時間の制約があります。また、食事や水分の制限もあり、好きなものを好きなだけ、自由に食べるわけにはいきません。
さらに、透析患者は体調が不安定になることもあり、特に治療前や治療後には倦怠感を感じやすく、外出先やデート内容を配慮しなければならないこともあるでしょう。免疫が低下していて、感染症のリスクが高まるため、性行為にも十分な予防対策が必要です。シャントや穿刺部の管理についてもパートナーと共有しておく必要があるでしょう。
透析治療は、生活に制限があることが事実ですが、パートナーと透析治療に伴う生活の制限や注意点を共有して協力し合い、適切な配慮を行うことで、お互いにとってより良く充実した生活を送ることができます。透析患者自身も透析患者を支えるパートナーもどちらもがお互いの状態や気持ちに寄り添い、支え合うことが大切です。
透析患者の平均寿命
透析患者の平均寿命は一般的な平均寿命に比べて約半分といわれています。しかし、寿命は個人によって差があり、透析治療を受けながら寿命を延ばしている方もいます。
透析患者は合併症により命を落とすことがあるため、合併症の管理、重症化の予防が重要です。生活習慣が合併症の発症や腎機能の悪化に深く関係するため、定期的な検査を受けて治療を継続するとともに、生活習慣の見直し・改善を図ることが大切です。
まとめ
透析患者であっても恋愛は自由です。透析患者の生活には、多くの制限や制約がありますが、それらの制限が恋愛を妨げるものではありません。
透析患者が恋愛をする際には、透析患者自身も透析患者を支えるパートナーも、透析治療に対する正しい知識を身に着け、日常生活での食事・運動、薬の服用などの健康管理について理解を深め、適切に実行することが大切です。透析患者も透析患者を支えるパートナーも、どちらもが苦しい思いを抱えたままにならないように、お互いのコミュニケーションを密に取りましょう。病状や生活において困ったときには主治医や医療スタッフのアドバイスを受けることも必要です。
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