透析患者へ何か差し入れようと思ったとき読む記事
透析患者への差し入れはどのようなものがよいのでしょうか?食事制限が必要な透析患者への差し入れとしてNGな食べ物や、オススメの差し入れについて説明し
ます。また、透析患者とコミュニケーションをとるうえで心得ておきたい向き合い方にも触れています。
透析患者へ差し入れNGな食べ物
一般的な差し入れの品として、まず思い浮かべるものといえば食べ物ではないでしょうか?療養中の方へ差し入れする食べ物は、果物やゼリーなどのヘルシーで口当たりの良いものや、ほっと一息つける甘いスイーツ、手軽に飲んでもらえるジュースなどを選ばれる方も多いでしょう。
しかし、透析患者は治療として食事制限が欠かせず、水分、カリウム、リン、塩分の多く含まれる食べ物は控えなければなりません。
差し入れとしてよく選ばれる果物やフルーツジュース、フルーツゼリーですが、生の果物や野菜にはカリウムが多く含まれているので避けた方がよいでしょう。ジュースやゼリーは水分量も気になります。糖尿病を合併している患者は糖の多い甘いスイーツを食べると血糖コントロールを悪くするので控えたい品です。
かといって、甘くないせんべいなどの米菓子にも炭水化物の糖が含まれます。しょっぱいお菓子は塩分も多いので注意が必要です。日常的に飲めて日持ちする茶葉ならよいのではと考える方もいらっしゃると思いますが、茶葉の種類によってはカリウムが多く含まれます。
透析患者への食べ物の差し入れは避けた方が無難
このように、透析治療中の患者には様々な食事制限があり、病院や自宅の食事以外は摂らないようきっちり管理している方もいます。
透析患者によって控えた方がよい食べ物や食事制限の内容も異なるので、食べられるものや量を知っている場合以外は食べ物の差し入れは避けた方が無難といえるでしょう。
透析患者へオススメの差し入れ
透析患者への食べ物以外の差し入れを考えてみましょう。透析治療は長時間同じ姿勢で過ごすことになるため、透析時間を楽しめる本やグッズ、冷えやすい体を守るアイテム、いくつあっても嬉しい日用品などはいかがでしょうか。
例えば、透析患者が好きな趣味の本や話題の本、パラパラとめくって癒される写真集、足先や手先を冷えから守るゆったりと着用でき皮膚にやさしい素材の靴下やアームカバー、肌寒い時に便利なひざ掛け、着心地のよいルームウェア、透析時に肘や踵の下などに置いて体圧を分散できる小ぶりのクッション、普段使いのタオルやバスタオルなどがオススメです。
透析患者との向き合い方
透析患者は、治療で週に3日程度半日間拘束されます。透析治療の開始したばかりの患者の場合、これまでの生活が大きく制限されることに加え、透析を開始した時期に体にかかる負担は大きく、苦痛やストレス、戸惑いを感じられる方も多くいます。今後の生活や治療への不安が募ることもあるでしょう。
この時期の透析患者の言動は辛さや不安ゆえに不安定であったり、周囲にきつく当たったりすることもあるかもしれませんが、透析患者の抱える不安や背景を理解したうえで接することが大切です。
長期に透析治療を受けている患者の場合
透析を長期にわたって続けている透析患者は透析生活のリズムにも慣れ、仕事復帰や趣味活動を始める方もいらっしゃいます。患者同士での情報交換や治療を継続する中で透析に関する知識も増え、日常生活に工夫を取り入れて積極的に自己管理に取り組まれている方もみられます。
一方、透析の知識がつくことで病気の進行や合併症の発生、自分や家族の生活など、将来的な不安や悩みも新たに生まれて精神的な負担を感じている方も少なくありません。落ち着いた生活を送っているようにみえる方でも抱えている不安は大きいことを理解して向き合いましょう。
まとめ
差し入れの品は食べ物や飲みものなどが一般的ですが、透析患者は食事制限も治療の一環で控えなければならないものがあります。個人により食事制限の内容は異なるので食べ物や飲みものは差し入れの品としては控え、透析生活で役に立つ日用品などのアイテムを差し入れするのがオススメです。
透析治療は食事だけでなく生活も制限され、体への負担も伴います。透析患者が抱えているストレスや不安は大きいことを理解したうえで透析患者に向き合いましょう。
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