ドライフルーツはカリウム量に要注意!透析患者さんが注意したいおやつ
ドライフルーツにはミネラルやビタミンが多く含まれています。健康な人にとっては手軽に栄養補給が可能なヘルシーなおやつになりますが、透析患者さんの場合はドライフルーツに含まれるカリウム量に注意しなければなりません。
ドライフルーツのカリウム量と食べる際に気を付けたい点について理解し、今後の食生活の参考にしてください。
ドライフルーツはカリウム量が多くなる?
腎臓の機能が低下している透析患者さんはカリウムが体の外に排出されにくいので、カリウムが体の中に溜まりやすくなります。
カリウムが溜まると心臓の動きを止めることがあり、突然死の危険性が高くなります。そのため、透析患者さんはカリウムの制限が必要です。透析患者さんの食事療法基準ではカリウムの1日の摂取量は2,000mg以下とされています。
カリウムはフルーツや野菜、イモ類、豆類などに多く含まれています。カリウムは水に溶ける性質があるため、野菜や芋類、豆類などは茹でこぼしてカリウムの量を減らしてから食べるようにします。
では、ドライフルーツのカリウム量は生のフルーツと比べると少ないのでしょうか、それとも多いのでしょうか?
ドライフルーツは生のフルーツが乾いたもののため、成分が濃縮されており、カリウムの含まれる量も多くなります。
100gあたりに含まれるドライフルーツのカリウム量
実際にドライフルーツに含まれるカリウムの量を生のフルーツのカリウム量と比べてみましょう。
100g当たりのカリウムの量 | 生のフルーツ | ドライフルーツ |
---|---|---|
バナナ | 360mg | 1300mg |
いちじく | 170mg | 840mg |
柿 | 170mg | 670mg |
ぶどう | 220mg | 740mg |
ブルーベリー | 70mg | 400mg |
マンゴー | 170mg | 1100mg |
あんず | 200mg | 1300mg |
プルーン | 220mg | 480mg |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
特に注意が必要なあんず、マンゴー、ブルーベリーにおいては生フルーツに比べて5倍以上のカリウム量です。
ドライフルーツは生のフルーツのように食べる前に皮をむいたり、切ったりする必要がなく、手軽につまんで食べやすいので気がついたら食べ過ぎていたということにもなりかねません。ドライフルーツを食べる際には食べ過ぎないような工夫が必要です。
透析患者さんがドライフルーツを摂る際のポイント
透析患者さんがフルーツで摂るカリウムは1日当たり100~200mgに抑えておきたいところです。
カリウム100~200mgに相当するドライフルーツの量は次のとおりです。
ドライフルーツの重さ | カリウム100~200mg相当量 |
---|---|
バナナチップス(1枚約2g) | 3~7枚 |
干しいちじく(1個7g) | 1~2個 |
干しぶどう(10個6g) | 20~40個 |
干しブルーベリー(10粒20g) | 10~20粒 |
干しマンゴー(1枚10g) | 1枚 |
干しあんず(1個8g) | 1個 |
干しプルーン(1個8g) | 2~5個 |
食事でカリウムが多く含まれる食品を食べたときには調整が必要ですので、ドライフルーツでカリウム量を多く摂りすぎないように気を付けましょう。ドライフルーツに限らず、食事全体を通してなるべくカリウム量の少ない食品を選び、食べ過ぎないことがポイントです。
また、ドライフルーツはパンやケーキ、クッキーなどのパンやお菓子類にも含まれています。ドライフルーツの入ったパンやお菓子には、カリウムが多く含まれるクルミやアーモンドなどのナッツ類が一緒に入っている製品も多くあります。
ドライフルーツとナッツを一緒に食べるとさらにカリウムの摂り過ぎになってしまうため、含まれている食材を事前に確認してから適量を食べるようにしましょう。
まとめ
透析患者さんは尿にカリウムを排出できずカリウムが体内に溜まりやすいため、カリウムの制限が必要です。カリウムが体内に多く溜まると突然死を引き起こすこともあります。
カリウムは生野菜やフルーツに多く含まれますが、ドライフルーツは生のフルーツが濃縮されているのでさらにカリウムが多く含まれています。
ドライフルーツをそのまま食べることももちろんですが、ドライフルーツが含まれる食品にも注意が必要です。カリウムが多く含まれる食品を把握し、摂り過ぎに気を付けましょう。
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