透析患者のお引っ越し。手続きや透析施設の選び方
透析患者が引っ越しする際に必要な手続きとはどのような手続きでしょうか。手続きが必要なものや内容について説明しています。
また、引っ越し先で安心して透析治療を受けるために、透析施設を選ぶ際の11のポイントについても紹介します。転勤や家庭の都合の引っ越し以外に、透析治療がきっかけとなって引っ越しするケースについても触れますので、引っ越しの予定がある透析患者はもちろん、そうでない透析患者も参考にしてください。
引っ越しする際の手続きについて
透析患者が引っ越しする際には、引っ越し先で透析治療を継続して受けられる病院を確保することに加えて、医療費の助成を受けるための手続きが必要です。
引っ越し先の近隣で透析治療を受けられる病院を探し、あらかじめ気になる病院へ電話して相談、見学しましょう。現在通院中の透析施設の主治医に引っ越しする旨を相談すれば、引っ越し先の透析施設についてアドバイスをくれることもあります。
今はインターネットのホームページでも医院の雰囲気や理念、対応している透析治療の情報を得ることができるので参考にするのもよいですね。
現在の主治医には、引っ越し先の透析施設へ渡す診療情報提供書(紹介状)を書いてもらえるようお願いしましょう。紹介状は作成に数ヶ月がかかる場合もあるので、余裕をもって主治医へ伝えることが大切です。
医療費の助成を受けられる期間が途切れてしまわないように、引っ越しする前に引越し先の市町村の役所・役場に問い合わせをして、早めに手続きすることも忘れないようにしましょう。
健康保険証 | 国民健康保険の場合は引越し前の市町村の役所・役場で資格喪失手続きを行い、引っ越し先の役所・役場で加入手続きを行います。社会保険に加入している場合は、会社に必要書類を提出して手続きします。 |
---|---|
身体障害者手帳 | 引っ越し先の市町村の役所や役場の身体障害者手帳担当窓口にて住所の変更手続きを行います。 |
特定疾病療養受領証 | 引っ越し先の都道府県や政令指定都市にて手続きが必要です。切れ目なく助成を受けるためには引っ越し前に引越し先の都道府県か政令指定都市に確認して手続きを行ってください。 |
引っ越し先で透析施設を選ぶ11のポイント
実際に通院してみなければわからないこともありますが、引っ越し先で少しでも安心して透析施設へ通うために、透析施設を選ぶ際にチェックしたい11のポイントについてお伝えします。
- 1. 長時間透析や血液濾過透析(HDF)など、希望している透析治療を受けられるか
- 2. ライフスタイルに合うスケジュールで透析治療を受けられるか
- 3. 自宅もしくは勤め先から通いやすい立地であるか
- 4. 送迎サービスやリハビリテーション、食事の提供など、希望する取り組みを行っているか
- 5. 透析室で快適に過ごすためのベッドのマットレスの質、テレビやWi-Fiの有無など、アメニティは充実しているか
- 6. 透析施設の理念や考えに共感できるか
- 7. 回診や検査の頻度、内容は納得できるものか
- 8. 見学に行った際の院長やスタッフの対応、透析室の患者の雰囲気は良かったか
- 9. 希望の時間帯の患者数とスタッフ数は余裕があるか
- 10. シャントトラブルや合併症の治療、入院が必要な場合の提携医療機関や連携している医療機関の有無や場所、どのような医療機関か
- 11. 感染対策はされているか
透析治療のために引っ越すケース
家庭の都合や転勤などで引っ越しが必要となり、引っ越し先の透析施設に転院しなければならないケース以外に、次のようなケースでは、透析治療のために引っ越しが必要になります。
- 地域によって透析施設が通える範囲にない場合
- 希望の透析治療を受けられる施設が遠方にしかない場合
- 認知症や介護が必要な状態であるが、対応可能な透析施設が近くにない場合
- 職場の近くの透析施設で透析治療をしながら仕事を継続するために、職場の近くへ引っ越しする場合
まとめ
透析患者が引っ越しする場合、透析治療を継続して受けるための手続きが必要です。引っ越しが決まったら早めに引っ越し先の役所・役場に必要な手続きについて確認しましょう。
現在透析を受けている透析施設の主治医にも相談し、転院先のアドバイスや紹介状のお願いもしておきましょう。ポイントをおさえて透析施設を選んだら、実際に候補の透析施設へ足を運んで自分の目で確認することが安心材料となります。ホームページなどでチェックして事前に透析施設へ電話のうえ、相談・見学を行ってください。
※コラムに関する個別のご質問には応じておりません。また、当院以外の施設の紹介もできかねます。恐れ入りますが、ご了承ください。
※当ブログの記載内容によって被った損害・損失については一切の責任を負いかねます。ご了承ください。